外壁のサイディング材が剥がれてきているがすべて貼替なければならないのか?
今回ご紹介するのがこのような現象に悩まされたマンションの改修工事です。
賃貸マンションの場合、リフォームやリノベーションで悩むのが収支のバランスです。
リノベーションを行えば良いものが出来る事は重々解っているが収支バランスを考えると一歩踏み出せない。
そんなオーナー様に向けて出来るだけ安価で、当社の「初期費用ゼロリノベーション」を利用し、しかも機能とデザイン性をアップさせる。そんな施工方法をご紹介したいと思います。
アイジー工業の「ガルスパン」
今回採用したのがアイジー工業の「ガルスパン」
安全性、耐久性に優れデザイン性も向上する事から採用させて頂きました。
新築の素材としても使われている素材である為、施工後はほぼ新築同様の見た目になる他、断熱性も向上し機能が大幅にアップします。
また素地(既存外壁)の上にそのまま施工するため、施工費を大幅に削減できます。
サイディングが剝れる原因「凍害」
【凍害】とは
外壁材の中で水分が凍る事で塗装がボロボロになったり、外壁材が割れてしまったりする症状のことをいいます。
その名の通り、寒冷地で起こりやすいのですが、実際は全国どこでも発生の恐れがあります。
今回の原因はベンドキャップ(換気口)より発生する蒸気が原因と思われます。
また、寒冷池で起こりやすい以外に、以下のような発生しやすい要件があります。
- 湿気の多い箇所
- コーキング周辺
- 日陰になる外壁
- 窓サッシの下
- 直貼工法での施工
漏水との違い
今回の件では外壁の破損の顕著な部分はいずれも上記の要件を満たしています。
特にキッチン・浴室換気口から下に向かって1列に破損が見受けられます。
このことから、目地コーキングや塗膜の劣化などによる雨水の侵入(漏水)が原因ではなく、凍害によるものと考えました。
キッチン・浴室は温度湿度ともに高くなる部分なため、換気口から空気が排出されると外気との気温差により更に湿気を生じやすく、その湿気がサイディング下で留まり冷やされると凍ります。
固体に変化すると容積が増える事から、サイディング内部から押し上げて表面を剥がして壊してしまう状況となります。
それを毎年繰り返し、防水加工ができていない素地の露出部、または亀裂の入った部分から雨水の侵入も許してしまうため、被害が大きくなります。
ガルスパン施工のメリット
アイジー工業のガルスパンは、素材そのものにも断熱素材が使われておりますが、下地に新たな透湿防水シートを施工。
これにより凍害対策が向上する事が期待でき断熱効果も向上します。
金属サイディングを被せて施工するため、外観は新築と同様になり機能アップも見込める優れた商品になります
最後に
今回の工事は塗装・貼替など従来工法も検討してきましたが、より良い工法を模索する中で賃貸管理会社の責務として「資産価値の向上」「次世代への継承」も視野に入れたご提案にご賛同頂けた工事となりました。建築資材の発展で今までの工法を当たり前と思わず、常に向上心と改善・改革を目指したリノベーション・リフォームを今後もオーナー様にご提案できるよう情報収集・研究を続けていければと考えます。
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